1. オープンかつ緩やかなシビックテックコミュニティ「ソーシャルハックデー」(後編)

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オープンかつ緩やかなシビックテックコミュニティ「ソーシャルハックデー」(後編)

ソーシャルハックデーは「何かやりたい」あるいは「既にやっている」という人がプロジェクトを持ち込んで仲間を募り、みんなで手を動かしながらサービスを作りあげる1dayハッカソンです。

前編では、ソーシャルハックデーができた経緯を中心にお伝えしました。
後編は、実際にソーシャルハックデーの中で取り組まれているチームのプロジェクトをピックアップしてご紹介します。そして、プロジェクトを推進しているメンバーのインタビューをお伝えします!

プロジェクト紹介

1)「夏休み見学体験イベント情報を集めよう」http://kids.openlabs.go.jp/
夏休みのイベントはニーズが高い一方で、様々なところに掲載されており、一覧性や検索性が悪いのが現状です。このプロジェクトでは、まずは夏休みに行ける体験イベントを集めて探せるようにします。そして、将来は、年間で使えるモノにしていきたいと考えています。ウェブサイトは既にできていて、今後、国や自治体のイベント情報を1,000件くらい準備する予定です。

2)Code for Cat  「CatBot project」http://code4cat.org/
地域猫(野良だった猫のうち、不妊・去勢手術を施され、地域で管理されている猫たちのこと)を地域の資産であると捉え、殺処分ゼロを目指している団体の活動をIT技術の活用によって支援しています。持続可能な仕組みを開発し、継続的に支援しています。現在動いているプロジェクトはCatBot projectという、猫に関するあらゆる質問疑問に答えるChatBot(自動応答)サービスです。猫と人間が長く付き合っていくために、猫に対する正しい知識と正しいつきあい方(飼い方)が分かるように情報をまとめています。

3)Code for Shinagawa & Code for SAITAMA「お散歩マップ」 https://note.mu/osanpomap
品川区ハッカソンで作成した「みんなで作るおさんぽマップ」の継続プロジェクト。フロントエンドは作成しているので、管理画面を作ることが6月のテーマでした。結果としてアップロードした写真と公園情報を紐づけたDBを作成・写真を一覧で見れるサイトを作成・写真にチェックボックスをつけて、ダウンロードする機能の仮実装(固定ファイルのDLのみ)が完了しました。

4)Code for Youth「CACTUS」https://note.mu/codeforyouth
2017年度のCode for Japan Summitから発足したYouthは若者と地域をつなぐためのプラットフォーム形成を目的として、地域課題とプロジェクトを可視化するための取り組みを行っています。6月のソーシャルハックデーでは、プロジェクト紹介ページや投稿機能の設計・フォーム追加などを行い、プロジェクトリーダー池田さんを中心に、早起きが苦手なメンバーが遅刻もしつつ集まりながら開発していました。

参加者インタビュー

平本さん(内閣官房IT室 政府CIO上席補佐官)

Q:今やっているプロジェクトはどんなものですか?
子ども向けの情報提供のためにこども霞ヶ関見学デーに関するサイトへの情報収拾と掲載をソーシャルハックデーの参加者と一緒に行っています。(http://kids.openlabs.go.jp/
自治体や国も情報を探している人が見やすい・使いやすい形でデータを出すことができていなかったりすることがある。それに対してただ指摘をするのではなく、実際にデータが揃っていて、市民がそれを見て活用してくれる場所を作り、その効果を体感してもらうことによって促進していけるように、ここでは自治体・市民などの枠組みを取っ払って共同でまず作るということを行っています。

Q:プロジェクト発足のきっかけを教えてください。
元々は霞ヶ関見学デーの情報はPDFで出していたので、親御さんたちはそれを印刷して蛍光ペンで線を引いたり付箋を貼ったりして使っていました。4年前はまだ「オープンデータ」という考え方も浸透していなかったので、フォーマットの変更を勝手に行い、Code for Sabaeの福野さんの協力の元アプリにしてもらって、それを翌年文科省に出して話を進めていきました。去年試行して、今年は大手企業のボランタリーなどに協力いただきながら行っています。今後もこれをバージョンアップさせていく予定です。
http://kids.openlabs.ago.jp/

Q:今後の展開として、具体的にやっていきたいことはありますか?
フォーマットを整えて、地方自治体とも連携連動しながら「イベント」を通して人の生活をサポートしていきたいと考えているます。各地域や施設に眠っている機会・情報をきちんと届けられるようにしていくために、まずこのプロジェクトをカンフル剤的なものとしてやりきって、そこから先は地域ごとにマージできていない情報を整えられるようにしていきたいですね。神戸にも地元のデータ活用の取り組みがあったりするので連動してもいいかなと思いますし、「経産省後援」みたいなイベントってたくさんあるので、産業振興の意味をより大きく持てるようイベントカレンダーみないなものも作りたい。
その延長線上に、同じフォーマットのまま災害時のツールにも使えていけるようになると考えています。(給水・自治体からのお風呂や炊き出し情報、罹災証明書の発行とか!)

Q:やっていて難しいなと感じるのはどんなことですか?
イベント情報を集めて集約しているのですが、曖昧な情報が意外と多くて困っています。日時で言うと、「桜が咲いたら開催」とか「7月中を予定しています」場所も「長良川流域」とかはどこか特定の場があるのか全域でやっているのか把握しづらかったり。データとして入力しづらい。どうしてもプログラムを組んで入れるだけでは対応できない部分があるので目視して検討するみたいな果てしない作業があります。そのため、強制的なタスクを人に分担したり持ち帰らなければならないような状況を作ったりということがないように工夫しています。

Q:直近の目標を教えてください
12月くらいまでは現行のサイトで行い、そこから先は2020年のオリンピックに向け、本番環境を用意していこうと考えています。自分のエリアだけではなく、日本全体で使えるものにしていき、シビックテックをしている人たちが楽しくやっていけるものにしていきます。

榎本まみさん(Code for Cat)

Q:プロジェクト発足のきっかけを教えてください。
Civic Tech Forumの第一回の時に「猫をテーマにできないかなあ」と太田さんが案を出していて、カンファレンスで喋ったことがきっかけで、そこから始まりでした。具体的な行動としては、豊島でやったCode for Japan Summitでセッションを持ったのがキックオフになりました。そこから猫好きが集まっていき、現在のチームになっています。
最初は猫にタグつけて居場所を知るとかにしようとしたが、ヒアリングをした結果、ニーズがそこではないのではないかと気がつきました。色々調べていく中で、猫の殺処分は繁殖能力の高さや管理不足による野良猫や高齢者が多頭飼いして崩壊したりしている事があると知り、殺処分ゼロ(無責任な飼い主を減らしたい)となり、キャットボット(管理ができることをサポートする形)の企画に変化していきました。

Q:プロダクトが変わっていく変遷で、どのような出来事があったんですか?
元々は猫シッターロボを作ってみたり、マストドンの猫版「キャット丼」を作って、そのデータを使った地域猫マップサービスを作ろうとしていましたが、マップだけでは実態調査にならないということがあったりして、関連団体へのヒアリングを進めていきました。実際に野良猫を減らすために地域猫(去勢して自治体が把握・管理できている状態)に変えていく過程としては、野良猫に定期的に餌やりをしている地域の方と話をしたり、その野良猫たちを捕獲して獣医師さんのところに連れていって捕獲手術する、また、その費用を地域の中でどう負担するのか話し合うといったことがありました。
既にある団体では冊子を作っているところが多く、実際の地域住民へ情報がなかなか届いていないという実態があり、これを技術を使って解決できないかということがありました。また、ミックス猫の流行などもあって今までなかった病気もあったりして、医療系(獣医さん)の情報ニーズが高いことも知りました。
そこで、昨年度のCode for Japan Summitで聞いたシーバさんのホノルルアンサーズのように、市民と協力してみんなが使いやすいLINEでのボットを作ったらいいという話になったんです。
そのための情報を集めるためのライタソンを開催して、そこで得たデータを元にQAのプラットフォームを今作っている状態です。
https://code4cat.org/

Q:やっていて難しいなと感じるのはどんなことですか?
参考にしていたホノルルアンサーズ自体もそうなのですが、リリースした時はよくても、新しい情報にメンテナンスしていくことが難しくなると止まってしまうので、ストック型ではなくフロー型にどうやってしていくべきかというのが課題です。あらゆるQAサイトがそうだと思うのですが、持続可能な仕組みにできることを含めた解決策を考えています。

Q:今後の展開として、具体的にやっていきたいことはありますか?
必要な情報は獣医師さんの監修を受けたりしたいなと考えています。また、そこで集めたものはオープンデータ化していく予定です。初期ターゲットは「初めて猫を飼う人」に絞っていますが、今後は高齢猫の対応や災害時に対応、自治体ごとのサービスなど増やしていく予定です。ただ、キャットボット自体はアウトプットの一つでしかなく、私たちの最終目標は無責任な飼い主をゼロに、野良猫をゼロにすることなので、今後も困った時のソリューションを出していけるようにしたいです。

Q:ソーシャルハックデー以外の日はどうやって活動しているんですか?
チームコミュニケーションはネット上が多いですね。全体では40名程度で、FBで猫関連情報をシェアしたりしながら、月1ー2回は集まっています。ただ、メンバーは東京だけではなく、地域にもいるのでオンライン会議をやったりもしています。

次回は11月17日!第4回ソーシャルハックデー

意志を持って取り組まれているプロジェクトはどれも魅力的で、今回は4つのプロジェクトと2名のインタビューしかお届けできなかったのですが、ここに挙げていないプロジェクトもたくさんあるので、ぜひ「シビックテック」って何だろう?ちょっとやってみたい!という方は、11/17に開催の第三回に遊びにいらしてください!(詳細はこちら

 

code for japan

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