Code for Japanでは、年に2回、スタッフ・理事・フェローが参加する合宿を開催しています。3回目となる今回の春合宿は、5月11日は横浜市、12日は小田原市と2日間にかけて開催しました。
この4月より、小田原市役所からCode for Japanに出向し、合宿初参加の小島がレポートします。まちづくりに関わる団体として、まち歩きを通して学んだことや、Code for Japanが未来に向けてどんな組織でありたいかについて話し合ったことがすこしでもお伝えできればと思います。
合宿のテーマは「過去と未来をつなぐ」
Code for Japanは設立から10年の節目を迎えています。組織も大きく変わっていくタイミングで、今回の合宿は「過去と未来をつなぐ」をテーマにしました。
1日目は、まちを実際に歩き、過去と未来をつなぐ横浜のまちづくり実践者の話を聞き、2日目は、ひとりひとりの過去と未来、そして組織の未来を考えるワークを設計しました。
横浜の都市デザインを体験するまち歩き
初日は、横浜スタジアム、日本大通り、赤レンガ倉庫などがある関内駅周辺を横浜市有志職員勉強会「よこはまYYラボ」の皆様にガイドしていただきました。
横浜市は、1965年に「プロジェクト」、「コントロール」、「アーバンデザイン」という3つの基本戦略を立て、自律的な都市づくりが進められてきました。昨今でいう「ウェルビーイング」を50年も前に掲げ、実践してきていることが今の美しい都市空間を生み出しています。
実際に歩いてみると、人が集まる空間設計、自然・緑を豊かにし、歴史を保全しながら現代とうまく調和している建造物など、視覚的に美しいまちづくりにするため、行政・市民・民間がともに守り、育てている都市を存分に感じることができます。「共創」によるまちづくりを学ぶことができた貴重な機会となりました。
よこはまYYラボ
横浜市の都市デザイン(横浜市ホームページ)
組織の未来を共有するワークショップ
2日目は小田原に移動し、ワークショップを行いました。
会場は、根府川駅にある「Workcation House U」。1954年から小田原市の支所として使われてきた建物が民間提案制度により、生まれ変わったワーケーション施設です。歴史ある建物の面影を残しながら、海を一望でき、ゆったりと時間が流れるような心地良い空間でした。
「Workcation House U」
さて、Code for Japanは、2013年にボランタリーな活動から始まりましたが、今年でスタッフが20名近い規模の団体となり、自主的なシビックテックプロジェクトの他に、行政からの委託案件等も受けるようになりました。関わる人やプロジェクトの数が増え、バリエーションが急速に広がる今現在、我々はどんな物語の途上にいて、今後も社会的価値を生み出し続けていく組織であり続けるため、どんな未来に向かっていくのか話し合いました。
ワークショップでは、組織が変わっていく際に、自分を深掘りし、変容していくことが大事であることから、はじめにペアインタビューでひとりひとりの3年を振り返りました。
その上で、組織の未来について、最高の状態・最悪の状態のシナリオプランニングを行い、リアルに自分たちの未来を想像しながら、どんな未来を自分たちはつくりたいかを考え、最後に個人・そして組織の未来を重ね合わせて、どんな未来や組織で自分が輝いているのか絵を描いて共有しました。
ひとりひとりが未来を考え、理想に向かって行動していく。それが組織として思い描く未来に繋がっている。人を尊重し、共創するまちづくりを実践するCode for Japanらしいワークでした。今回の合宿でひとりひとりが考え、共有したありたい未来、そして「ともに考え、ともに作る社会」の実現に向けて、Code for Japanはこれからも活動を続けていきます。
最後に、我々スタッフは全国・海外でリモートワークを中心に活動しているため、対面でコミュニケーションを取れる合宿は貴重な場です。
共通体験で懇親を深めるため、1日目のまち歩きに加えて、小田原ならではのコンテンツとして、「かまぼこ作り体験」を行いました。ワークショップで疲れた頭を癒しながら、皆で手を動かす。楽しい時間となりました。