2024年11月16日、国内最大級のシビックテックイベント「Code for Japan Summit 2024」を滋賀県草津市の立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催しました。今年はCode for Kusatsuとの地域開催で、テーマは「合流・交流・放流!」。現地参加は350名を超え、国内各地や台湾などから沢山のシビックハッカーの皆さんにお集まりいただきました。
サミット概要
- 日時: 2024年11月16日(土)
- 場所:
- 現地会場:立命館大学 びわこ・くさつキャンパス(滋賀県 草津市)
- オンライン:YouTubeライブ配信
- 運営
- 主催: 一般社団法人コード・フォー・ジャパン
- 協力: Code for Kusatsu
- 活動紹介ページ(サミット):https://www.code4japan.org/activity/summit
- 2024年度のサミットページ:https://summit2024.code4japan.org/
基調講演
台湾の初代デジタル担当大臣を務めた唐鳳(オードリー・タン)氏と2024年の東京都都知事選に立候補し、AIを活用して質問対応や市民との対話に挑戦した安野貴博氏をスピーカーにお迎えし、Code for Japanのファウンダーであり代表理事でもある関治之がモデレーターとして対談形式のセッションが行われました。
- 市民と政府の信頼関係を構築していくためにはデータや意思決定プロセスの透明化・可視化が必要であること
- メディアリテラシーやデジタルリテラシーを高めていかなければならないこと
- 市民の声を効果的に集約していくために、建設的な議論を可能にするAI等の技術活用が有効であること
の3つが意見が共通認識としてあがり、これらの実現のためには、最初から完璧な解決策を求めるのではなく、課題を機会として捉えながらステップアップしていく姿勢が求められるということが話されました。
プログラム
基調講演終了後は4つのトラックで全19プログラムが実施されました。草津市や戸田市、山口、今治など地域のシビックテックコミュニティの活動報告のセッションがあったり、能登半島地震の被災地支援活動、OSSツッコミ想定問答集編纂プロジェクト、医療福祉領域のナラティブ(対話)×テクノロジー(技術)などそれぞれの社会課題を取り上げての問いかけがあったり、micro:bitやマインクラフトを用いた子どもも参加しやすいワークショップのコーナーがあったりと、多彩なプログラムが各会場で展開されており、会場間を行き来する参加者の皆さんの活気に溢れていました。
また、今回は大学で開催していたこともあり、近隣の学生さんも参加してくださったりしていましたが、セッション内容としても立命館守山中学・高校でのデジタル保健室の取り組みの紹介や、「シビックテック・デザイン学創成寄付研究部門(Civic Tech Design Initiative (CTDI))」が設立された東京大学におけるシビックテック教材開発についてのパネルトークなど、教育にまつわる問いかけもありました。
Future Forum
カンファレンスの最後によく開かれている、参加者が主体となる仕組み、アンカンファレンス(Unconference)をアレンジしたプログラムとして、「フューチャー・フォーラム(Future Forum)」が設けられました。シビックテックに関連するキーワード毎に集まり、サミットを振り返りつつ、今後の取り組みや議論に向けての対話をしていきました。地域活性化やデジタル民主主義、災害時支援、環境、教育、Web3、地域での取り組み、海外とのコラボレーションなど多様なテーマでの議論が展開されました。ファシリテーターの進行のもと、参加者間での積極的な意見交換が行われ、新たなプロジェクトの種が芽生える場となりました。参加者からは「シビックテックについて知りたくて初めて参加したが、プロジェクトや地域コミュニティについて他の参加者さん達が丁寧に教えてくれた。コミュニティの雰囲気も体感できて楽しかった」「自由に意見を言える雰囲気、みんなの積極的に発話していく姿勢が刺激的でいた」と感想をいただきました。
毎年秋に開催している年1回のシビックテック祭典ですが、地域で開催する回は特に地域コミュニティの皆さんとオンライン会議を重ねて準備をしていきます。前日設営や当日に会場で「(物理的に会うのは)はじめまして!」「お久しぶりです!」といった声も飛び交います。運営のみならず、登壇者も、参加者も、色々な地域、専門領域、職種、年齢、性別の人が混ざり合う交差点でもあります。
来年もまた秋ごろに開催をする予定ですので、シビックテックに馴染みがある方も、最近ご無沙汰だなという方も、これから知りたいなという方も、ぜひ来年のサミットでお会いしましょう。