CCC U-22のアイデアソンをアーバンデータチャレンジ奈良ブロックと中川政七商店と開催

2023.08.24 | 活動レポート

奈良エリアのブリゲードと中川政七商店とのシビックテックイベント

8月のソーシャルハックデー(プロジェクト持ち込み型ハッカソン)との同日開催で、Civictech Challenge Cup U-22のアイデアソンとして、奈良エリアで活動する3つのブリゲード(生駒・奈良・大和郡山)の皆さんとCCC U-22のパートナー企業でもある中川政七商店にご協力いただきながら、奈良・鹿・観光をテーマにしたアイデアソンを開催しました。
近畿圏内在住のCCC U-22の参加者に声掛けし、当日は奈良、大阪、三重、京都から高専生・大学生が参加しました。フィールドワークの時間には実際に奈良公園や観光客が歩いているエリアに出向いて、地域の課題や市民・観光客・鹿のニーズについて考えながら、アイデアを発表していきました。
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会場は中川政七商店が「共に働き(co-working)、共に学ぶ(co-learning)」場として、猿沢池と東大寺を望む立地に構えている「JIRIN(https://n-park-project.jp/jirin/)」をお借りし、前述の3つのブリゲードをはじめとした奈良エリアのシビックテックコミュニティの皆さんの協力も得て進めました。学生は近畿圏内在住のCCC U-22の参加者に声掛けし、奈良エリアのシビックテックコミュニティの皆さんと一緒にコラボレーションをしました。
 

オープニング

オープニングではまず、「偏愛マップ」呼ばれる、自分が愛してやまないモノやコトのキーワードを抽出して視覚化するワークシートを使って自己紹介をしました。それぞれがどんなことが好きか、どんな興味・関心でシビックテックや奈良を捉えているのかをシェアしてから、アイデアソンの内容へと進みました。
 
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インプットトーク

ゲストスピーカーによるインプットトークでは、奈良エリアで活動するブリゲードを代表してCODE for YAMATOKORIYAMAの本多さん、続いて創業から奈良とともに事業を展開してきた中川政七商店から井上さんにゲストスピーカーとして登壇いただきました。
本多さんは大和郡山エリアでシビックテックコミュニティをしながら、アーバンデータチャレンジ奈良ブロックでは、実行委員、運営の立場で参加者をサポートしつつ、ご自身もプロジェクトやプロトタイピングに参加しています。色々な立場で奈良のシビックテックコミュニティに関わっているご経験から、コミュニティや事例について紹介いただきました。
会場でもある、中川政七商店の井上さんからは、300年以上前からこの地で麻織物をしていた中川政七商店と奈良のまちとの関わり、地元のスタートアップや新規店舗などを応援する仕組みづくりについて紹介いただいき、奈良の観光・鹿に関するデータや課題について解説していただきました。
  • 寺社仏閣を目指してくるが、それ以外の観光施設が少ない
  • 京都や大阪に隣接していることから、寄り道的な日帰り観光客が多い
  • 宿泊施設の数が少なく、観光消費額も全国最下位レベル
  • 奈良の鹿は天然記念物の野生の鹿
  • 万葉集の時代から奈良にいて、芝生を食べて暮らしている
  • 明治維新の混乱と太平洋戦争で2度絶滅の危機を乗り越えた
など、関西に暮らしていてもなかなか俯瞰して捉えることが少ない奈良の観光地としての特徴を知ることができました。
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また、飛び入りゲストとして、奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市)の立花さんにも登壇いただきました。立花さんからは、同大学のユビキタスコンピューティングシステム研究室でゴミ拾いに使うトングにセンサーを付け、ゴミの種類や拾った位置の情報を自動的に記録する「IoTトング」の開発と社会実装に取り組んでいる経験をもとに、地域の課題をピックアップし、仮説検証を繰り返しながらプロトタイプ開発や実証実験に取り組むプロセスや事例について紹介いただきました。

フィールドワーク

お昼ご飯を食べてから、データマッピングのチームと観光客・観光客向けサービスのユーザーリサーチのチームで二手に分かれて、奈良公園・観光客が行き交う商店街に足を運んで、実際の鹿、観光客、そして他の観光資源に触れながら実地調査・分析にチャレンジしました。
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奈良公園で鹿せんべいを販売している人たちやそれを購入して鹿に与えている観光客、鹿自体を観察してきたチームからは「奈良公園の鹿はお辞儀をするとお辞儀し返してくれる」「お辞儀をしてくれない鹿は若い鹿らしい」「外国人観光客は特定のお店を目指して歩いているわけではなく、観光スポットと次の目的地までの隙間時間にそのまちの日常的な風景を覗いたり、自分たちの文化にはないような珍しいものを探してみたりしている様子だった」「カプセルトイの専門店があり、現在は中国からの団体旅行ツアー客が多いと店員さんが説明してくれた」など、奈良から参加している人と県外からの参加者がお互いの視点からの感想や観察してきた中で得た情報を共有しながら、アイディエーション・企画立案のフェーズに進んでいきました。
 
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企画案共有

3−4人ずつのグループに分かれて始めたアイデエーション・企画立案では、それぞれの観察してきたこと、集約したデータなどを参照しながら議論が進められ、多様なアイデアが生まれました。
  • 鹿の視点で生活環境改善に取り組む「鹿愛でつくる”鹿のサステナビリティ”」
  • 観光資源の価値単価をあげていく「鹿せんべいハイブランド化」
  • おすすめスポットの紹介を多言語化する「外国人観光客向け情報発信QRコード」
  • 奈良公園・鹿との交流・地域イベントを盛り上げる「レンタルレジャーシート」
  • 鹿が食べても安全な包装「Deer Edible Bag project」
など、各企画にタイトルをつけながらそれぞれのチームが発表をしていきました。会場提供をしていただいた中川政七商店の井上さんに直談判を試みるプレゼンをするチームがいたり、自分たちのコミュニティに持ち帰って開発していけば実現できるかも!と具体案を検討し始める会話があったりと、和やかながら活気のある発表となりました。
クロージング後はそのまま立ち話をしながら意見交換を続ける人も多く、「せっかくなので実際に観光してから帰ります!」という県外からの参加者もいて、名残惜しみながらの解散となりました。
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学生向けのアイデアソンとハックデーと地域コミュニティイベントの合体版という特殊な形にはなりましたが、所属や暮らしている地域、年齢層やシビックテックへの関わり方もそれぞれ異なる人たちが集まって、一緒につくりあげる素敵な時間となりました。パンデミックからの3年ほど、なかなか対面イベントや地域を跨いでの交流イベントの実施が難しい環境が続いていたので、改めて場を設け、色々な人が混ざり、言葉を交わしながら企画やをしたり開発をしたりしていくことの面白さを教えてもらうことができました。
高専生や大学生の中には企画案を持ち帰り、開発フェーズに向けて検討していくチームもありました。今後もCode for Japanは、学生向けに夏季休暇期間に開催している「Civictech Challenge Cup U-22」や、毎月開催しているプロジェクト持ち込み型ハッカソン「ソーシャルハックデー」、またSlcakのコミュニティワークプレイス内プロジェクトチャネルなどを通して、継続するプロジェクトをサポートしていきます。
 
 

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