はじめに
Civic Tech Fun! Fun! Report! 2025年6月号は、Code for Amagasaki、シビックテックさいたま、Code for Japanの3団体のレポートを掲載しています。
Code for Amagasakiは毎年提供している時間割検索システムがバージョンアップ!見てみましたが、330もの授業があるのでこのシステムは参加者にとても喜ばれそうですね。そして、シビックテックさいたまは、「ウイキペディアタウンinよの」開催レポート!それもよのPediaの山田さんに書いていただきました(嬉しい!)
今回も各地のFunFunレポートをお楽しみください!
協力:たださん(Code for Amagasaki)、山田さん(よのPedia)
Code for Amagasaki
尼崎市内で夏に毎年開催しています「みんなののサマーセミナー」の時間割検索システムを作成しました。
今年は8月2日㈯と3日㈰の二日間で約330の様々な授業が行われます。
C4AMAでは毎年、センセイの希望時間を反映した時間割の生成ツール(LibreOfficeBasic)と、セイト向けに時間割の検索システム(JavaScript)の保守を行っています。
あと、今年からAIによるQ&A機能を設置して実行委員の負担軽減を図っています。
シビックテックさいたま
「ウイキペディアタウンinよの」開催レポート
「インターネットの百科事典ウィキペディアに、与野の百科事典をつくろう!」という呼びかけで、まち歩きとウィキペディアの編集を併せて行う、ウイキペディアタウンイベントを5月24日(土)と6月7日(土)の2日間に渡って開催しました。
呼びかけ人は、図書館司書グループ「よのPedia」。地名としての「与野」はさいたま市になって無くなってしまいましたが、その歴史や記録を残していきたいという思いと、情報を調べる図書館司書のスキルを社会に役立てたいという目的で発足しました。ウイキペディアタウンというイベントに興味があり、いつか開催してみたいと考えていましたが、ウィキペディアの記事を編集するには技術的な不安があったため、「シビックテックさいたま」の皆さんに相談したところ興味を持っていただき、共催という形で実現することができました。
参加者は20代から60代の幅広い年齢層で、図書館司書とIT、地図、地域活動などに関心のある15名が集まりました。ほぼ全員がウィキペディアの編集は初めてです。
初日は「まち歩き」として、与野地域の歴史に関する現地調査を実施。地元の元学芸員をガイドに迎え、テーマに関連のある場所を実際に歩いて、調査や写真撮影を行いました。
2日目は編集作業を行います。講師には、ウィキペディア日本語版の元管理者であり、情報リテラシーについての講師の経験も豊富な「海獺(らっこ)」氏を招き、ウィキペディアの基礎や編集方針についての説明を受けました。その後、参加者は作成する記事のテーマごとに3グループに分かれ、基本となる出典付けの練習を行いました。ウィキペディアには出典を必ず書く、中立を心がける、自分の意見を書かない、著作権に配慮するなど、大事なポイントがいくつかあります。心得を確認した後、図書館から用意しておいた資料で調べながら、各自で記事を執筆していきます。
2時間という限られた時間ながら、新規記事2件の作成と既存記事1件の加筆・修正という目標を達成することができました。参加者同士で協力しながら、高い集中力で作業に取り組む様子が印象的でした。
最後には成果発表とともに、このイベントやウィキペディアを書く人が増えることの社会的な意義についてもお話がありました。編集を体験してみることで、この記事が誰かの力でできていること、自分の書いた記事が誰かの役に立つかもしれないこと、どんな記事が信頼できるかなど、普段使っているウィキペディアの見方が大きく変わりました。
参加者からは「今後も編集を続けたい」「自身の地域活動と結びつけて活用したい」といった声が多数寄せられました。また、市民が図書館の豊富な資料を活用することを学ぶ場として、図書館で開催することも有意義と思われます。
レポート執筆:よのPedia 山田
Code for Japan
この夏の参議院選挙、SNSではまたいろんな情報が飛び交いそうです。そんな中、Code for Japanではオープンソースで開発した「BirdXplorer」というツールを使って、選挙と偽情報の関係を分析しています。
今年の兵庫県知事選で、Code for Japanと法政大学の藤代教授は共同で、BirdXplorerを使った分析を行いました。BirdXplorerはコミュニティノートのデータを活用しており、分析では意外な事実が見えてきました。なんと、多くの評価を集めていても非公開になるケースが5件あったんですが、分析したところ「評価をしている人たちが偏っている」と判断されていました。
そして、6月7日に7月の参議院選挙に向けたイベントも開催しました。Tableauを使ってコミュニティノートのデータを可視化するハンズオンで、メディア関係者やエンジニアが一緒になってワイワイと分析。「どんな投稿にコミュニティノートが付いているんだろう?」とか、「コミュニティノートを投稿している人たちはどんな人?」といった話しを深掘りしました。
参議院選挙では、BirdXplorerのデータを報道機関に提供します。コミュニティノートのデータを元にした報道がされるといいなと思っています。コミュニティノートの仕組みに関心がある方は、ぜひ参議院選挙期間中にコミュニティノートの投稿や評価にも参加してみてください!