データ連携基盤を活用したハッカソンを浜松市で実施

2025.01.10 | 活動レポート

浜松市データ連携基盤を活用したサービス開発実践プログラムの一環として、2024年11月2日にハッカソンイベントが開催され、4チーム、総勢14名が参加しました。Code for Japanでは、浜松市からの受託により、本イベントを実施しましたので、その様子をレポートします。

浜松市で地域課題解決やらまいか!

浜松市では、2022年度末にデータ連携基盤が本格的に稼働したことをきっかけに、デジタル・スマートシティの実現にむけて市民・企業・行政といった様々な立場の方が参加し、データを活用して地域課題の解決や地域の魅力向上につながるサービスのプロトタイプをともに考え、つくり上げるプログラムを立ち上げました。今回は2023年9月に続いて、2回目の開催となります。
本プログラムは、「浜松で地域課題解決やらまいか!データ・フュージョン・キャンプ2024~浜松市データ連携基盤を活用したサービス開発実践プログラム〜」と題し、データ連携基盤の活用に関する研修、アイデアソン・ハッカソンイベント、継続フォローアップと、充実したプログラムとなっております。
今回は、浜松市内にある「Co-startup Space & Community FUSE」で開催されたハッカソンで発表されたサービスアイデアをご紹介します。

市内の魅力的なイベントの情報を発信「Event AIder」

浜松市外の自治体職員3名で構成された「TEAM AMEOTOKO」のサービスアイデアです。
「にぎわいの創出」を課題に設定し、魅力ある浜松市内のさまざまなイベントを集約し、ユーザーに届けるサービスを開発しました。利便性やさまざまなユーザーを想定し、音声データでイベント内容を届けるプロトタイプにも着手し、デモンストレーションを実施しました。
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市のオープンデータのみならず、外部データとの連携も視野に設計
市のオープンデータのみならず、外部データとの連携も視野に設計

参加者コメント

  • 若松さん
    • 情報を確実にお届けするために、メインの利用者はどんな人になるのか、どんなデータ  形式にすればよいか、チームで悩んで話し合って形にしました。わかりやすいアプリですので、浜松市の皆さんに使ってもらえれば嬉しいです。
      浜松市のデータ連携基盤は魅力的なデータが多く、アイデアを形にするための土台としての活用状況はとても参考になりました。浜松市の活用例を参考に、当自治体でも利用を推進していきたいと思います!
  • 村田さん
    • 新聞社のRSSから直接データを収集するほか、FIWAREをコアとしてイベントデータを流通させることができれば、我々のアプリ以外でもそのデータを使って実装ができるという価値があると考えて、変換して送信する部分の開発にも取り組みました。
      浜松市の豊富なデータと整った環境を用いてトライしたことで、自団体でも同様のことができそうだという感触を得ました。さらに今後、生成AIを用いて地域のあらゆるイベント情報を収集&連携できる例も作ることができればいいなと思っています。
  • 長島さん
    • イベント情報については、文字やイラストといった目からの情報であることが多いですが、あえて耳からの情報に変換することで、より多くの方に触れていただくことができるのではないかと考え、生成AIや音声合成サービスを取り入れました。
      浜松市のオープンデータがとても充実していたので、集めるだけでなく、いかに伝えるかという視点で開発ができました。今後は音声合成や生成AIといった技術を活用することで、イベント情報以外の情報の発信にもつなげていければいいなと思います。

災害時の緊急コールサービス「にげまいか」

続いて、「nigemaika製作委員会」です。
いざという時の「にげまいか!」を届けたいという想いで、河川水位・雨量データを活用した、固定電話への緊急コールサービスを開発しました。今回は、一人住まいの方をペルソナに固定電話を活用して開発しました。今後は、SNSやLINE、メール、FAXとマルチチャネル化を進め、さまざまなペルソナにパーソナライズしたアプローチを実装していくそうです。
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データ連携基盤と多くの技術を掛け合わせたサービスを開発
データ連携基盤と多くの技術を掛け合わせたサービスを開発

参加者コメント

  • 小幡さん
    • 昨年度と比べ、浜松市データ連携基盤上で利用可能なデータが増えていました。特に注目したのは浜松市内の10分ごとの雨量・河川水位データでした。近年は、線状降水帯等で水かさが急に増し、浸水被害に見舞われたり、逃げ遅れるという報道も増えています。高齢者にも使い慣れた「電話」を自動で架電し、早めに「にげまいか」と呼びかけることができたら、住民の被害も減らせるのではないかと考えました。会場の雰囲気もよく、お菓子が食べ放題だったり、笑顔を自動計測する最新機器があったりなど、自由にのびのびといろいろ創造できる環境でした。また、メンバーに恵まれ、キャッキャしながらハッカソンを進めることができました。

出会いつながるプラットフォーム「ないすとぅみーちゅー!」

3組目はサービスと同名の「ないすとぅみーちゅー」による発表です。
浜松市のオープンデータ笑顔数集計データと施設情報を活用し、笑顔量を可視化し、繋がりを増加させるサービスを開発しました。このアプリを使うことで、交流促進によるコミュニティの拡大や人材育成にまで応用することを想定したアイデアが発表されました。
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地図上を「笑顔」で埋め尽くしたくなるようなアプリを提案
地図上を「笑顔」で埋め尽くしたくなるようなアプリを提案

参加者コメント

  • 山口さん
    • 笑顔ポイントに着目しましたが、データ自体が少ないこともあり、構成するのが大変でした。また、事前に話を進めて当日臨んだ方が、より密なアプリを作成できたのではないかと思いました。新たに体験をし、学びになったイベントでした。
  • 中村さん
    • 年齢、職業、地域も様々な5人チームで構成されました。様々な視点からの意見を取り入れることができ、楽しく取り組むことができましたが。チーム結成時点でアイデアスケッチが3人分あったこと、ハッカソンまでの準備期間に全員そろう機会が無かったことから、サービスの方向性をまとめるのに苦労しました。最終的にリアルタイム性という点で優れていた「笑顔のデータ」をメインデータとして選択し、浜松市のオープンデータ「施設」と組み合わせ、どの施設にどれだけの笑顔が集まっているのかを地図上に表示するサービスを開発しました。限られた時間の中で、コミュニケーションを重ねながらアイデアを練り上げて、何とか発表できる状態までやり切ることができました。かなり疲れましたが、達成感もあり、学びにもなりました。
  • 玉木さん
    • 私自身がイベントを企画・運営する立場としても、真に必要とされるサービス、街のためになるサービスとはなにか向き合うことができました。笑顔には人を惹きつけ、自然と交流を生む力があり、その力は地域の活性化にも繋がると信じています。
      苦労した点は、私自身の実現したいことが多く、アイデア出しで方向性を拡散させてしまいました。街を活性化できる人々を増やしたいという想いを大切にしつつ、チーム内で聴いてもらい、話し合うことで、形にすることができました。この過程を通じて、協力し合いながら物事を形にしていく楽しさを経験できました。
      ハッカソンに参加して、改めて「笑顔」と「人との繋がり」の大切さを実感しました。笑顔に人々を繋げることで、地域やコミュニティをより良くしていきたいです。また、他の参加者との意見交換を通じて、新たな視点やヒントを得ることができ、とても有意義な時間を過ごしました。
      このような機会に参加できたこと、そして、多くの人々と触れ合えたことに感謝しています。今後も、もっと多くの人々と繋がり、笑顔の輪を広げていけるようなサービスを作り続けていきたいと思っています!!

おでかけ提案サービス「どこ行く?」

最後の4組目は、「GOKAN」です。「親子で五感を満たす体験を重ねて、浜松に対する愛着を育む」をテーマに、若者流出に向けたアプローチを提案。浜松市内のおでかけ先やイベントを、「五感ボタン」や「今日の気分」によって提案されるLINEサービスを開発しました。
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ユーザビリティが高いビジュアル設計
ユーザビリティが高いビジュアル設計

参加者コメント

  • 深山さん
    • 若者流出に対する課題に対して、子供の頃から浜松に愛着を持ってもらうアプリケーションを作ろうというアプローチは面白く、チャレンジングでした。他のチームの作品も浜松に対する思いがあふれるものが多く、私もインスパイアされました。今後もこういうイベントが開催され、シビックテックが根付いていくと良いと思います。
  • 中野さん
    • 特段、準備をせずに臨んだのでモックすらできないんじゃないかと不安になりましたが、無事にモックを作ることができて安堵しています。今後、機会があれば事前にしっかりと準備をして、会場の方々に実際に体験していただけるようなアプリを作りたいと思います。
  • 仁尾さん
    • 私は主にデータ周りの担当でした。準備されたデータの量が圧倒的に少なく、デモを有効に機能する量が出ない点に苦労しました。おそらく、安全性の点を猶予されたと思うので、データをローカルPCにダウンロードしなくてもできる環境を次は期待しています。
  • 三輪さん
    • 私はシステム開発などの知識は持っていないため、当事者目線でのユーザーストーリーを考えプレゼン資料を作ったり、提案するお出かけ先のカテゴリを考えたり、LINEボタンの画像を作ったりして、何とかチームのお役に立てるようにと頑張りました(笑)
      あっという間に発表の時間になってしまいましたが、3人の頼れるプログラマーさんたちがLINEサービスのプロトタイプを仕上げてくださいました。この短時間で形にできるなんて、本当にすごい!と感動しました。今回の「浜松市で地域課題解決」を目的としたハッカソンに参加できたことは、日頃のNPOの活動ともリンクしていて、とても学びの多い充実した時間でした。

ハッカソンの結果は・・・?

優勝「nigemaika製作委員会」

プロトタイプや今後の展望も含めて、誰もが関わることのある「災害」をテーマとした完成度の高いプレゼンテーションが高く評価されました。
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準優勝 「TEAM AMEOTOKO」

オープンデータの掛け合わせや、音声データを取り入れるなど、さまざまなユーザーへ届けるデモンストレーションを行ったことが高く評価されました。
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総評では、表彰に届かなかったチームも含めて、かなり採点に悩み、どこも素晴らしいプレゼンテーションだった旨を審査員から伝えられました。
最後に、イベント会場に設置していた笑顔センサーを活用して、参加者、運営者、関係者みんなで笑顔の記念撮影をしました。
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どのチームも、ペルソナやストーリーテリングをしっかりと行い、浜松のポテンシャルやリソースを生かしつつ、データ連携基盤を活用したユニークかつ実用的なサービスが開発されました。本プログラムでは、希望チームに対して、今後も実装に向けたフォローを継続していきます。
今回は、学生、NPO、一般企業、自治体職員、そして、エンジニアやデザイナー、企画部門など、さまざまな所属や立場の方々が交流するシビックテックイベントとなりました。このような、シビックテックイベントを通じて地域の課題解決に向けた取り組みを応援していく取り組みを、CfJとしても引き続き続けていきたいです。
 

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