所属:東京大学教養学部(研究はキューバの文学と社会) / 桑沢デザイン研究所夜間附帯業務内容:CCC U-22(プロジェクトマネジメント、イベント企画運営司会)今後の進路:会社員(コンサルティング会社)
インターン入社までの経験
神奈川県の郊外出身で、小さい頃に遊んでいた空き地や田んぼが住宅地や高速道路に変わっていく過程を傍で眺めてきた経験から、まちづくりに興味を持つようになりました。大学入学後は「地域活性化」の文脈で、南伊豆、福井県の鯖江市、池田町、高知県越知町、鹿児島県長島町などでの取り組みに参加していました。2019年夏からは休学し、鹿児島に移り住んで芋焼酎工場で仕込みの仕事をしたり、全国の民藝・工芸的なものづくりをしている町工場に飛び込み営業するなどしていました。パンデミック中は、卒業論文執筆、教育・福祉系企業でのアルバイト、保育士資格の取得、造形の勉強などに時間を使っていました。
シビックテックとの出会い
そもそもは福井県鯖江市での「地域活性化プランコンテスト」で、Code for Sabae(https://c4.sabae.cc/)の活動から、シビックテックというものを知りました。これからの社会の仕組みや働き方は、「自律・分散・協働」を目指していくべきだと考えていたのですが、シビックテックはその考えをテクノロジーの側から支えるものだと感じました。
パンデミックを機に、自分が目指す社会作りに素直に取り組もうと思うようになりました。ちょうど2020年に知り合いの方がCode for Japanに転職されて、Code for Japanサミットの配信を見る機会があり、そのときに「こんなにたくさんの人が、自分のまちをより良くするために活動しているのか」と希望を感じました。シビックテックの価値観や哲学、仕組みを伝え広めることで、社会全体を少しずつ幸せにしていけるのではないかと思い、Code for Japanのインターンに参加しました。
また、大きく自分の活動を「文化と機能」の2つに分け考えていて、直接的に誰かの役にたつような機能の側面を鍛えたいと思ったのも理由の一つです。他のコミュニティに比べてテキパキ仕事をこなす方や、ここぞというときに瞬発力高くご自身のスキルを発揮する方が、年齢関係なく多いと思いました。
活動のなかでの学び
①エンジニアやデザイナー、だけではない多様な役割、職種がある
一人のなんでもできるスーパーマンだけがいるわけではなくて、課題を持ち込む、仲間を集める、計画する、デザインする、プログラムする、伝え広める、etc..とさまざまな役割があって、それをみんなで補いあっていることを実感しました。僕自身エンジニアでもデザイナーでもない(わかりやすい肩書き、職能がない)なかで、どういう役割を担うか戸惑うことも多かったのですが、だからこそ、その場における自分の貢献の仕方や、どうなりたいのか?を考えるきっかけになりました。
②ビジョンを得た
もともと地域の現状からどうしていくかを考えていましたが、違うアプローチや視点を加えることで描いていた理想・ビジョンを実社会の現実・リアルに落とし込むように設計したり実装したりすることもできると気づきました。例えば、移動困難な方の移動手段について考えるとき、スマートシティという概念や先行事例を知っていれば、現場ベースでは浮かびづらい解決法を考えることもできると感じました。
また自分が学校で勉強してきたことの意味や価値も感じられるようになりました。学んだこと、調べたことをもとになにかを作ろうとすると、勉強の価値や楽しさが何倍にも増します。いわゆるプロジェクト型教育を、自分自身が体感したような気持ちです。
③主体性について悩んだ
シビックテックでは、個々人が主体的に参加するという特徴があります。そもそも市民自らまちの課題を解決しようというコンセプトからして、主体性を前提としていますよね。仕事終わりや休日にプロジェクトを進めることも多く、そのため、繁忙期にはいったんプロジェクトがストップしたり、他の人が引き継いだりと、さまざまなつながり方をしていきます。そんなゆるいつながりに良さを感じる一方で、続けることの難しさも認識しました。熱意を持ってシビックテックやCode for Japanに関わってくれた人たちを、どううまく巻き込み、また自分自身も巻き込まれていけばいいのか。そこで必要なコミュニケーションや仕組みはどんなものか。こういった問いに、インターン中にもっと向き合えたらよかったなと思います。
インターン後・これから
インターンをするなかで、エンジニアやデザイナーを目指すというよりは、プロジェクト全体をオーガナイズしていくことにおもしろさを感じました。就職先はコンサルティング会社のデジタル化支援に特化したチームに入ります。そこでも戦略作りから実行支援まで、エンジニア・デザイナーのチームと一緒に進め、企画や調整、マネタイズなどのスキルを身につけて、シビックテックコミュニティでも活動していきたいなと思っています。
スキル面では、全員のストレスを減らすような仕組みづくりやツールの使い方を学んでいきたいです。そのようなソフトスキルをもとに、参画した全員がステップアップできるような仕事をしていきたいです。また開発の知識についても、プログラミングスキル自体というよりも、できることできないことを判断できるような知識を身につけていきたいと思っています。インターンを通じて、自分がエンジニアになりたいわけでも、またエンジニア向きではないことも知った一方で、テクノロジーの可能性はより強く感じました。シビックテックの価値観(自律・分散・共同、主体性、民主、etc.)を忘れずに、世界を少しずつ、自分が良いと思う方向につくりかえていきます。
シビックテックに興味があるあなたへ
Code for Japan・Civictech Challenge Cup U-22では、「課題を解決する」ということの地道さやそこで求められる粘り強さ、周りを変える力を持った集合的な市民のポテンシャル、ゆっくりと変わっていく市民社会のダイナミズムを感じることができます。
いまの日本でシビックテックに触れて、飛び込んでみようと思う人はまだまだ少ないのが現状です。ぜひ一緒に、自分も含む「市民」がのびのびと暮らせる環境を整地していけたらと思います。
▷ CCC U-22の活動:https://www.code4japan.org/activity/cccu22
▷ 採用ページ(募集案内)https://recruit.code4japan.org/
▷ 応募フォーム https://s.c4j.jp/nn13