受賞者インタビュー[CCC U-22]2020-2:でんとつー

2021.05.19 | Civictech Challenge Cup

画像処理の技術を使って、手話や指文字を学びやすく

notion image
最終審査会の発表「Shuwagate」
2020年、コロナ禍で自分の力を発揮する場が減ってしまった学生のために開催された開発イベント「Civictech Challenge Cup」(以下CCC)。2021年も記念すべき第2回の開催が決定しました👏
そんなCCCのさらなる普及に向けて、参加者の生の声をお届けする受賞者インタビューを掲載します!
今回は、昨年のCCCでさくらインターネット賞とUDトーク賞をW受賞されたチーム「でんとつー」の堀夏実さん、小田康平さんのお二人へインタビューさせていただきました!
参加当時、堀さんは大学4回生、小田さんは大学3回生。お二人は関西大学のシステム理工学部電気電子情報工学科、また電気通信工学研究会というサークルの先輩後輩、という関係だそうです。
インタビュー時にお二人の仲の良さ、信頼関係が伝わってきて、我々インタビュアーもたびたびほっこりしてしまいました。
notion image
プレゼンターを担当した堀さん

サークル活動でのハッカソン・コンテスト参加

—お二人はどのような学生生活を送っていたのですか?
堀さん「課外活動を色々していました。電気通信工学研究会での活動をはじめ、手話サークルや小学生向けのプログラミング教室、学内バイトなどでも活動していました。また授業もたくさん履修し、4年間で250単位ほど取得しました。」
小田さん「プログラミング漬けの生活です。サークル活動以外に趣味でもやっています。」
—そうなんですね。お二人とも専攻分野と親和性の高い活動をされているようですが、現在所属の学部を選ばれた理由は何でしたか?
堀さん「子どもの頃から理系っぽいことが好きだったんです。中学生の頃にネットゲームにハマっていて、次第にゲームをプレイする側から作る側に回りたいと思うようになって、高校からプログラミングを学ぶようになりました。そんな自分の関心と合致していたのが現在の学部でした。」
小田さん「僕は逆に、大学に入るまでは全然プログラミングはやっていませんでした。ただゲームをプレイすることは好きで、VRゲームを作りたいと思って現在の学部を選びました。」
堀さん「小田くんは大学に入る前はサッカー少年やったもんな。」
小田さん「中学時代はそうでしたね。高校時代は環境問題を学べるような部活に所属していました。」
—なるほど。ちなみに、お二人が所属されている電気通信工学研究会はどんなサークルなんですか?
堀さん「部員は70人くらいいますが、アクティブに活動しているのは20人ほどです。活動内容は、元々は『うちロボ』というロボットコンテストへの出場がメインでした。ただ最近は部員によって様々で、小田くんみたいに個人でゲームを作ったり、ソフトウェアハッカソンに出場したりする人もいます。」
—どんなハッカソンに参加しているんですか?
小田さん「サークルとしては、ソフトフェアハッカソンやロボット開発イベント、競技プログラミングの大会などいろいろ参加しています。」
堀さん「所属名は出さずに個人で出場する人もいますね。小田くんはイベント色々出てるよね。私が無理やり出させてるのか(笑)」
小田さん「(笑)」
堀さん「私が色々なイベントの情報を集めてサークルのSlack上に流して、『出れば?』と参加を促します。」
—なるほど。堀さんがどのように情報収集しているのかと、小田さんがどんな基準で参加するイベントを決めているのかについて教えてもらえますか?
堀さん「Twitterや、Facebookのメッセ―ジで紹介してもらったりします。自分で検索したりもして、私が興味を持ったイベントを部員に紹介する形ですね。」
小田さん「いつも堀さんがガチすぎない絶妙なイベントを選んでくれるので、僕や部員は選んでくれたイベントに参加するだけです。堀さんを信じています。」
堀さん「彼らはしっかり賞を獲ってきてくれるので、嬉しいですね。」
—賞を獲ってくるのはすごいですね。では、小田さんはガチすぎず、面白い要素が含まれているイベントの方が好きなんですね。
小田さん「そうですね、その方がいいですね。」
—そして、その中の一つがCCCだったんですね。

CCCに参加したきっかけ

—CCCを知ったきっかけはなんだったんですか?
堀さん「Waffle(女性向けのプログラミング支援団体)で、女子高生のウェブデザインのメンターをしたことがあり、そこで高校生向けのハッカソンとしてCCCが紹介されていました。参加条件にU-22とあったので、『私も参加できる!』と思ったのがきっかけです。どうしても参加したかったので、小田くんを直接誘いました。」
女子学生向けにプログラミング教育を提供するWaffle
—そうなんですね。普段はお二人でイベントに参加されることが多いんですか?
堀さん「いえ、頻繁に組み替えて参加しています。小田くんと参加したのは初めてだよね?」
小田さん「そうですね。」
堀さん「私たち実はさっぱりとした関係なんです。CCCが終わってからまだ一度も会ってないくらい。」
小田さん「そんなことないですよ。」
堀さん「ほんまに?(笑)いつ会ったっけ。それくらいの距離感です。」
—なるほど。ではCCCでは参加者間で5人までメンバーを増員できる制度があった中で、2人きりで参加したのはなぜですか?
小田さん「増員してしまうと、サークルとしての参加ではなくなってしまうからです。もし賞金が手に入ったらサークルへ全額寄付する予定だったので、それができなくなってしまうと思いました。」
—そんな事情があったんですね。 8~10月の開発期間は、どのように開発を進めていきましたか?
小田さん「9月の夏休み期間にめちゃくちゃ頑張りました。」
堀さん「そもそもチームを結成したのが8月21日とかなり遅い方でした。加えて10月からは私は内定者インターン、小田くんは授業で忙しくなると思ったので、9月に集中的に進めました。9月中は週2~3くらいの頻度でzoomやSlackでミーティングをしていました。」
—9月はかなり忙しかったということですね。企画案は元々あったのですか?
堀さん「私はUDトーク賞を狙いたかったので、手話と技術を融合させたいという案は元々ありました。最終的に提出した指文字の読み取りもその案の一部でした。ただ、開発当初は小田くんの案を採用していました。」
小田さん「そうでしたね。しかし僕の案の実現が技術的にかなり難しく、また賞を狙うなら堀さんの案の方がより適していると判断し、堀さんの案に沿って進めていくことになりました。」
堀さん「最初は声認証で問診表を作成するプロジェクトを進めるつもりだったのですが、医療用語とAPIのハードルが高く、9月9日に指文字のプロジェクトに切り替えました。」
—提出までの日数を考えると、かなりカツカツですね。
堀さん「そうですね。夏休みはずっと開発していました。」
—役割分担はどうしていましたか?
堀さん「何を作るかという企画は私が行い、画像処理などの技術的な部分は小田くんを中心に進めていきました。」
—画像処理は元々専門で学ばれていたんですか?
小田さん「独学で少し勉強していた程度でした。普段は画像処理よりも自然言語処理をメインに活動していました。」
—なるほど。技術は授業よりも個人開発をやりながら学んだ部分が多いですか?
小田さん「そうですね。学部ではあまりプログラミングの授業がないんです。」
堀さん「二人で色々試行錯誤しながら勉強していました。」
—かなりしっかりした作品だったので、そんなギリギリで作ったようには見えませんでした。
堀さん「コンセプトやウェブページデザインなどは本当にギリギリで作りました。」
—そうなんですね。普段のハッカソンもギリギリまで頑張りますか?
小田さん「そうですね。授業などが忙しいことも原因としてあり、どうしてもギリギリになってしまいます。」
堀さん「余裕をもってゴールをしたことはないです(笑)」
—夏休み最終日に踏ん張る感じですね(笑)。メンターとのプレゼン練習は役に立ちましたか?
堀さん「はい。小田くんが当日出席できないことはわかっていたので、プレゼンは事前にしっかり準備しようと思っていました。メンタリングのおかげでプレゼンの完成度が上がったと思っています。」

CCC参加後の活動

—プレゼンの感触はいかがでしたか?
堀さん「プレゼンは出来が良くなかったと感じていました。一人でオンライン上で発表をするのは初めてだったので、時間管理や質疑応答が上手くいかなかったんです。ただ、プレゼン内容に関してはしっかり準備したので満足のいく出来でした。」
—とてもわかりやすいプレゼンだったと記憶しています。受賞した時の率直な感想はいかがでしたか?
堀さん「UDトーク賞受賞は、狙っていたこともあり想定していました。さくらインターネット賞受賞に関してはまったくの予想外だったのでコメントに困りました。」
—驚いていたとは思えないほどしっかりした受賞コメントだったように思います。賞金の20万円はどう使われましたか?
小田さん「僕らはもうサークル活動を引退しているので、使い道は後輩次第ですね。」
堀さん「寄付だけして終わりです(笑)」
—すごい漢気ですね。なぜ寄付しようと思ったのですか?
小田さん「僕がサークルの前会長だったので、目に見える成果としてサークルに何か残したかったんです。」
—Pay forwardを実践されているんですね。素敵です。お二人の今後についても、お聞かせください。
堀さん「4月から日本マイクロソフトでカスタマーサポートエンジニアとして内定をいただいています。人の役に立ちたいという思いと、自分の持つスキルの発揮を同時に実現できる職場でとてもワクワクしています。」
小田さん「大学院への進学を考えています。AIや自然言語処理の分野に携わりたいです。小説を読むことが好きなので、AIで小説をかけたら面白そうだなと思っています。」

経験者としての感想・ 今後参加する方へのメッセージ

—最後に、今年参加を考えている皆さんにメッセージをお願いします。
小田さん「参加期間中はメンター制度などサポートが手厚いので、技術面で不安がある人でも、新しいことに挑戦してみたい人に参加してもらいたいと思います。」
堀さん「社会問題解決型のハッカソンは珍しいので、プログラミングの技術がなくても問題意識や好奇心がある方に参加して欲しいです。」
—お二人のお話から、技術を社会のために使いたいという思いを強く感じました。その思いがあってこそのW受賞だったと思います。本日はありがとうございました!

インタビューを終えて

サークル活動でのこれまでの関係性があった上でのチームプレーでありつつも、その結果を後輩の今後の活動のために捧げるというお二人の考えに感動しました。後輩の皆さんにもまた来年以降のCCCにもご参加いただけたら嬉しいです。(大宮)
(年齢や学年はCCC U-22 2020開催時のものです)
 

ともに考え、

ともにつくる。

Code for Japan Logo

活動

シビックテックプロジェクトCivictech Challenge Cup U-22Civictech Accelerator Program (CAP)DecidimMake our City

団体概要

コミュニティ

Slackワークスペースについて Notionコミュニティ・ポータルについてイベント情報

SNS

© Code for Japan

情報セキュリティについてプライバシーポリシーCode of Conduct

© Code for Japan