Decidim(参加型民主主義PF)

参加型民主主義プラットフォームDecidimとは

Decidim(デシディム)は、「我々で決める」を意味するカタルーニャ語にちなんで、2016年にスペインのバルセロナ市で開発された市民参加のためのデジタルプラットフォームです。Code for Japanは、オープンソースで開発されているDecidimを2020年から日本国内に展開しています。
 

Decidimで何ができる?

市民参加のさまざまなかたち
現在、日本各地で実践されているDecidimを活用した市民参加のかたちには、いくつかのパターンが見られます。

(1)まちづくりのプロジェクトに提案をする

人口5,000人あまりの福島県西会津町では、町内唯一の中学校で行われているアントレプレナーシップ教育の一環として、生徒が考えるまちづくりのアイデアをDecidimで共有し、生徒同士のみならず関係する町内外の大人たちとも議論を行います。こうしてブラッシュアップされたアイデアを彼らなりに実践していくことを通じて、まちづくりに主体的に参加する授業が行われています。日本におけるGIGAスクール構想ではさまざまな取り組みが見られますが、Decidimはこうした地域ならではの取り組みに合わせて将来世代によるまちづくりの活動に親和的です。
兵庫県加古川市では、駅前再開発のプロジェクトがはじまっています。Decidim上にはこれまでワークショップなどで寄せられた「駅前がこうなったらいいな」というさまざまなアイデアが地図にわかりやすくまとめられ、参加者が投票をすることや追加のアイデアを提案することができるようになっています。こうした集められた様々なアイデアを、さらにワークショップを開催して発散と収束を繰り返しつつ、社会実験でその内容を具体化していく取り組みが進められています。

(2)行政の計画策定に参加して意見を述べたり参加者同士で意見交換をする

兵庫県加古川市では、スマートシティ構想の策定に際して、市役所の案に対するパブリックコメントに先立って、構想そのものについて市民、とりわけ高校生や大学生といった若い世代と対話を行いました。市役所の職員が学校に赴き生徒と対面で議論を重ねながら、生徒も学習した内容をDecidimに追加で投稿します。そうしたやりとりを大人たちがDecidimで見ている中で、新しいコメントが寄せられるようになりました。こうした策定されたスマートシティ構想は、現在その実施状況が公表され、市民がそれぞれの施策の進捗状況が確認できるようになっています。
また、東京都世田谷区でも、同様に総合計画策定に際して対面のワークショップを重ねるとともに、ワークショップ後にはテーブルごとのグラフィックレコーディングを掲載してワークショップに参加できなかった区民・事業者にも共有しています。それを入り口に、次々とDecidimに追加の意見が寄せられたり、Decidimユーザー同士の意見交換がなされています。

(3)Webページとして、さまざまな情報を得る

市民参加でもっとも大事なことは、情報を共有することです。ともすれば、行政からの一方的な「情報発信」にとどまることの多い状態が見られないでしょうか。Decidimでは、さまざまな参加プロセスに応じたコンポーネントを用意することで、情報を整理する機能が豊富に実装されています。また、YouTube動画やプレゼンテーション資料を埋め込むことができ、内容に応じた適切な形式で情報を提供することができます。そして、ページ間の関連付けが容易であることから、アイデアや意見がどの段階の誰が提出したものかを追跡したり、どのようにブラッシュアップされていったかをわかりやすく表現することもできます。
このほか、誰でも閲覧できるページのみならず、関係者のみのページを作成することもできるため、計画策定のための委員会のコンテンツを公開するとともに、委員同士の情報共有を同じプラットフォーム上で公開・限定公開で使い分けることができます。また、限定公開の機能をフルに活用すれば、Decidimを市役所の研修コンテンツの提供プラットフォームとして活用することを通じて、職員にDecidimを使った学習を行いつつ、使い方に慣れることで自分の担当業務でも活用しやすくするようなシームレスな体験を提供することもできます。

Decidimの特徴

このように、さまざまな市民参加のかたちをデザインすることは、世界に50数個以上あると言われ日本でも数多く開発が行われている市民参加のためのデジタルプラットフォーム全般にも言えることですが、Decidimには3つの特徴があります。

参加型プラットフォーム

Decidimは、市民がそのまちの戦略的な計画のなかに参加し、議論し、意思決定に関わるための場です。自治体のビジョンや予算を市民参加型で議論すること、市民から提案を受けた政策を実行することなど、様々な立場の方がともに考え、意思決定する際のツールとして使われています。

オープンソース

どなたでもオープンにコードを活用することができます。Decidimは、全ての市民や政府に対して開かれたものです。その場を成り立たせているプログラムそのものも、オープンソースとして開発プロセスが信頼できて、安全だと考えられるようにするためのソフトウェアです。

一つのコミュニティ

Decidimは、参加型のプロセスと意思決定のプロセスを結びつけようと考えてつくられています。そのため設計も民主的にスタートしており、Decidimプラットフォーム自体も参加型で作られています。これを使うあなたも、ぜひ一員として、Decidimを育てる活動に加わってください。

Decidmを知る

Code for Japanが提供しているサービスやよくある質問など記載している資料を公開していますので、ぜひご覧ください。

Decidimに関連する記事

また、日本国内や海外事例などに興味がある方はMetaDecidim Japan(外部サイト)をご覧ください。

Decidimを利用したい

Code for Japanは、クラウドサービスとして、すぐにご利用いただける状態でご提供します。デモ環境(定額)と 一般公開環境(月額・規模別料金制)をご用意しています。 提供にあたっては以下の点をご理解ください。
  • AWS(Amazon Web Service)上に構築しています。管理のためインターネット接続環境をご用意ください
  • 個別インスタンス(個別ページ領域)は専用となりますが、個別のカスタマイズは基本的には行いません
  • Decidim内の各ページの作成(ページ入力、公開設定等)はお客様側で実施していただきます。Code for Japanは作成方法の習熟のための支援を実施します
Code for Japanが提供するDecidimに興味関心がある方は decidim@code4japan.org までご連絡ください。

Decidimの開発に参加する

オープンソースであるDecidimの開発にはどなたでも参加できます。また、フォークしてご自身で運用することも可能です。
Code for JapanのSlackでも情報交換などおこなっていますので、♯proj-decidim にご参加ください。Code for JapanのSlackに参加されていない方は、コミュニティページにて参加方法をご確認ください。
 

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