カーボンフットプリント可視化アプリ

「じぶんごとプラネット」は、国立環境研究所と共同開発したカーボンフットプリント可視化アプリです。このアプリでは自らの生活スタイルからの気候変動への影響を知り、具体的な脱炭素アクションを数字で選ぶことができます。

カーボンフットプリントとは

商品やサービスの原材料の調達から生産、流通を経て最後に廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算したものです。つまり、自分たちが排出するCO2を「見える化」することができます。
日本のカーボンフットプリントの内訳では、家計消費は全体の約6割を占めています。温室効果ガスの排出を実質ゼロにするために、気候変動への影響を小さくする持続可能な「脱炭素型ライフスタイル」が求められています。

気候変動に対してわたしたちができること

気候変動による異常気象、海面上昇、生態系破壊などが国際的にも注目される中、日本でも、大型台風、集中豪雨、35℃以上の猛暑日などの異常気象が起きています。こうした気候変動による重大な影響を低減するためには、世界の平均気温上昇を1.5℃未満に抑えることの重要です。
日本では、2030年度において2013年度から46%削減を目指し、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロの実現を目指します。現在、日本人が生活で排出するカーボンフットプリント量は1年間で平均約7トンとされていますが、目標達成には2030年までに1人あたり約3トンに抑える必要があります。

個人のカーボンフットプリント量を可視化

じぶんごとプラネットは、住居・食・移動・消費財の4項目に関する10問以下の設問が各項目に設けられており、回答すると自身のライフスタイルにおける1年間のカーボンフットプリント量を知ることができます。質問への回答をもとに、ユーザーがどんな削減アクションをした時にどの程度CO2を削減できるのか、効果の高い順に表示します。カーボンフットプリント結果、自身が選択した脱炭素アクションを誰かに共有することで、自身の行動宣言につながります。
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じぶんごとプラネットの特徴

これまで主に海外においては、個人のカーボンフットプリントを可視化するサービスが実用化されていますが、日本のライフスタイルに合わせたものはありませんでした。海外のサービスは英語版が多く、データや計算アルゴリズムは海外を基準としています。それに対し、このプラットフォームでは、日本独自の定量的なエビデンス(科学的根拠)に基づいたデータとアルゴリズムを使用し、効果的な削減のためのアクションを定量的に提案します。

日本のデータとライフスタイルをもとに開発した計算アルゴリズム

じぶんごとプラネットでは、生活に関する質問にユーザーが答えた結果を国立環境研究所が日本のデータとライフスタイルの特徴をもとに開発した計算アルゴリズムを用いて、ユーザーのカーボンフットプリントを算出します。

具体的な脱炭素アクションを数字で提案

ユーザーごとに算出されたカーボンフットプリントの量を日本平均と比較した上で、具体的な削減行動の効果を『◯キログラム』と定量的に提案します。さらにユーザーは選んだ選択肢をSNSなどにシェアすることで行動変容を宣言することができます。

新しいエコシステムづくりのためのオープンソース開発

今回開発されたプラットフォームは、営利目的での利用も含めて許諾される「MITライセンス」によりソースコードを公開・提供しています。企業や行政機関などは、このソースコードを活用し、脱炭素型ライフスタイルを後押しするためのカスタマイズされたツールを開発・公開することができます。
ソースコードは以下のURLで公開しています。

シビックテックの力を活用

じぶんごとプラネットは、Code for Japanが主催するシビックテック開発イベント「ソーシャルハックデー」を中心に開発しました。2021年11月にプロジェクトが始動し、2022年8月の公開まで約10回開催。エンジニアだけで5人、ほかにデザイナーやアイデアづくりで参加した人なども含めると総勢20人以上が関わっています。今後も、機能の追加や更新をオープンソースで継続することで、脱炭素型社会への転換を支援するツールづくりに誰もが参加できる体制を構築しています。
 
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公開から3ヶ月でユーザーは1,000人以上、アプリ利用回数は2,500件以上

2022年8月末公開以降、多くの方にじぶんごとプラネットに興味をもっていただいています。アプリ利用回数は公開から3ヶ月で2,500件以上、うち約45%は、質問4項目(住居・食・移動・消費財)全て回答し、脱炭素アクションを選択しています。
カーボンフットプリント量を削減するための第一歩として、まず個人レベルでどのくらい排出しているのか知ることが大切です。じぶんごとプラネットをきっかけに多くの方が行動を始めています。

幅広い年齢層からの利用

ユーザーの年齢は10代から70代までほぼ同じ割合の利用があり、幅広い年齢の方が環境問題に関心があるのが分かりました。男女比では、やや男性からの回答が多く、地域別では、関東が1番、ついで、近畿、東北、九州からの利用が多い印象です。

1ユーザーあたり平均で4分以上滞在

アクセス解析のデータによると、1ユーザーあたりの平均利用滞在時間は4分以上です。また、各ページ単位で見ると、カーボンフットプリント量が表示される結果ページの滞在時間は約1分あり、ユーザーが自身のカーボンフットプリント量をしっかり確認しているのが分かります。各設問ページの時間は15〜20秒と短く、ユーザーがスムーズに回答を進めている印象です。

持続可能な社会づくり向けた脱炭素型ライフスタイルを後押しする仕組み

じぶんごとプラネットは、オープンソースソフトウェアとして開発されているため、ライセンスに従って誰でも利用することができます。今後はAPIの提供を検討しており、様々なサービスと連携することによって、カーボンフットプリントの削減に向けたエコシステムを作っていきます。
企業においては、スマートメーターやIoT家電との連携、家計簿アプリとの連携、ゲーミフィケーション、GPSを利用した行動提案、健康管理のスマホアプリなどにカーボンフットプリントの情報、行動提案を付与することが可能です。
また、自治体においては、環境啓発や政策形成への活用、脱炭素市民会議など市民が参加して脱炭素の未来を議論する場を活用してワークショップを開催し、市民が気候変動に対する行動変容を生み出す試みもおこなっていきます。

じぶんごとプラネットプロジェクトに参加する

追加機能の実装やUX改善など、じぶんごとプラネットの開発は現在も継続しています。Code for JapanのSlackにてやり取りをおこなっていますので、ご興味のある方は#proj-jibungoto-planetに参加ください。Code for JapanのSlackに参加されていない方は、コミュニティページにて参加方法をご確認ください。
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じぶんごとプラネットはいくつかの外部メディアで取り上げられています。

ともに考え、

ともにつくる。

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