インターンインタビュー004[GovTech]:岡本さん

2023.01.14 | インターン

所属:京都工芸繊維大学大学院 博士後期課程(デザイン学専攻)
業務内容:サービスデザイン(調査・ワークショップ設計/ファシリテーション・サービスメニュー開発、etc)
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普段何をしているか

高校時代から建築と経営に興味を持っていましたが、大学進学の際に地元京都でデザイン経営工学というものづくりを幅広い視点で捉えた学部があると知り入学しました。「オフィスデザイン×ワーカーの知的生産性」「デジタル技術を活用したデザイン×伝統技法」などのプロジェクト経験を経て、「デザイン」がもたらす人々の行動変容/意識変化に興味を持つようになりました。大学院進学の際には、市民にデザイン文化が浸透し、行政サービスの市民参加型デザインが進んでいるデンマークへの交換留学を目指し、同大学大学院に進みました。留学はコロナ禍で中止になったものの、Code for Japanとの出会いもあり、「参加型デザイン×公共的問題」に関する研究と実践を現在も続けています。

インターンのきっかけ「シビックテック×共創デザイン」

コロナ禍で留学を断念した時期に出会ったのが「行政×デザイン」という研究領域でした。まさにパンデミックの状況下で先行きの見えない時代を経験したからこそ、立ちはだかる複雑な問題に対してチームで取り組む必要性を感じました。そして公共的なテーマを扱う行政と幅広い問題解決法を持っているデザイナーが組むことで生み出せる方法を研究という立場で模索するようになりました。具体的には、山梨県の地場産業組合・役場とコラボし、地域産業の未来を考えるゲームを関係者と創ったり、コロナ集団接種サービスから見える行政サービスのデザイン方法を調査したりしました。このような研究に取り組む中で着目してきた、「ともにデザインする手法」を現場の人達と試してみたい!と入ったのが「ともに考え、ともに創る」を掲げるCode for Japanでした。ブリゲードやより良い行政サービスを生み出すサービスデザイナー的職員さん等に出会い、自分の学んできたデザインが貢献できることがないかとワクワクした感触を今も覚えています。

Code for Japanでの主な活動

  • Make our City プロジェクト
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      参加直後から1年以上関わっているのが、Make our Cityプロジェクトです。行政・民間企業・市民など様々な想いや知識を持つ人達が集まり、それぞれの方法でまちに関わることで「”わたしたち”のまちづくり」を日本各地で実現する。そんな風景を創り出すためにシステムやノウハウを開発・展開していくプロジェクトです。
      私はその中で、市民ひとりひとりの意欲やアイデアをサポートし、共創を実現するためのツールや学習プログラムを開発する取り組みをしています。データやデザインツールがどのようにシビックプライドをサポートするのか。市民が「わたし」を自覚し、周囲の同志と集まった「わたしたち」によって新たな価値をその町で生み出すためのプログラムを設計、検証しています。ここでは主に、自身の研究やデザインプロジェクトの経験を活かしてプログラムの要素を考えたり、アイデアのフレーム化を担当しています。
  • よさのみらいトーク(Decidim)
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      京都府北部に位置する与謝野町は、自然豊かで魅力ある地域活動がたくさん生まれている町です。産業としては、クラフトビールや丹後ちりめんという絹織物が有名です。ここで、町役場・町民・関係人口など様々な関係者とともに町のことや地域活動・政策について意見を交換するプラットフォーム「よさのみらいトーク」を共創するプロジェクトを進めています。バルセロナ発の市民参加型合意形成プラットフォームDecidimを導入し、幅広い関係者に「知ってもらうこと」「触ってみてもらうこと」を重視したワークショップを複数回実施しました。はじめは難しさを感じていた参加者の方々が、段々と自らの活動との組み合わせやアイデアを出すようになり、一つのプラットフォームを創っていくプロセスを一緒に実感することができました。
  • 兵庫県豊岡市での活動
    • 豊岡スマートコミュニティ推進機構
    • シン稽古堂塾(Code for Toyooka)
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      兵庫県の北部に位置する豊岡市では「豊岡スマートコミュニティ推進機構(通称:TSC)」という団体で様々なプロジェクトに参加させていただきました。市役所職員・中間支援組織・地域おこし協力隊員・町出身のデザイナーや学生らとともに運営している「シン稽古堂塾」では、テクノロジーやデザインを学ぶコミュニティとして、イベント講師やファシリテーターとしても関わらせていただいています。最近ではこの活動がブリゲード「Code for Toyooka」としても活動を開始し、今後さらに幅広く活動を展開していく予定です。

これからの活動

  • 行政と市民、市民同士の共創デザインを支えるツールキットのデザイン
    • 大学院では、「市民が主人公となるまちづくりにおける行政サービスのデザイン」を研究しています。市民一人一人が活動を始めやすく、進めやすくするために必要なワークシートやデザインツールを考え、様々な地域で実践・検証していきたいと考えています。自分自身も率先して開発エンジニアの方やUIデザイナー/行政職員など多様な方とコラボレーションしていきます。
  • まちに関わる人々をつなぐ「市民デザイナー」を増やす
    • 所属や肩書きに関係なく、まちに関わる多様な人々をつなぐ「市民デザイナー」を増やしていきたいと考えています。これまでのデザイン経験を活かし、ツールを使って自分らしくまちの課題に向き合うサポートを、幅広いリサーチやデザインの経験がある自ら進めたいと考えています。既存ツールを使いこなすハンズオンや必要なサポートを1人でも多くの人に繋げ、届けたいと考えています。
 

こんな人におすすめ

  • 「ともにつくる」デザインに興味がある人
    • デザインプロジェクトには、1人でできるものはほとんど存在しません。どのように周りと共同し、課題に対処できるかが重要です。自分自身の専門的な知識・スキルを持っているともちろんよいですが、違う専門性を持つ人に共感し、ともに何かを生み出すことを楽しめることは大切な要素だと思います。
  • 「現場での実践」から学びを得たい人
    • 専門的な知識が増えれば増えるほど、その内容を実践できる場を求める人におすすめです。特に、「地域社会」や「経済」「デザイン」などを学ぶ人にとって、現場で関係者と関わることで得られる生の声は大きな気づきを与えてくれます。
  • 失敗を恐れず積極的に手を動かせる人
    • 頭で考えることも重要ですが、手を動かし、失敗を重ねられる人が向いています。実践例のないことを行うケースが多く、正解が決まっているプロジェクトはありません。私がデザインを学ぶ中で教えられた「早く失敗し、早く成功する」ことを実践できる前向きなデザインをできることが重要です。
 

最後にひとこと

私はコロナ禍で留学を断念しましたが、Code for Japanとの出会いをきっかけに、海外で学びたかったことをもっと身近な立場で学び、楽しく実践することができています。
「逆境を跳ね返し、未来を楽しくデザインする。」自分が感じた共創のパワーを1人でも多くの方々に伝えられるようにがんばります!

ともに考え、

ともにつくる。

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