小さな町の高校でシビックテックデザイン演習を実施 〜Code for Japan × GLOCOM × 北海道森高校のコラボレーション〜

2023.03.14 | 活動レポート

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Code for Japanは、国際大学グローバル・コミュニケーションセンター(以下、GLOCOM)とともに、北海道森町森高等学校1年生24名を対象としたデジタルシチズンシップ・ワークショップを2022年10月25日、26日の2日間で実施しました。Code for Japanのデジタルシチズンシップ・ワークショップとしては、加古川東高校、浜松西高校での実施に続き3回目となりますが、この度GLOCOMとの協働プロジェクトとして、改良や新しい要素を加えて開催することができました。

GLOCOM・森高校と、ともにつくりあげたワークショップ

GLOCOMは、経済産業省「未来の教室」プロジェクトの一環であるSTEAMライブラリーにて、デジタルシティズンシップ教材を公開しています。公開されている教材コンテンツの中から、「デジタル・シティズンシップから考える創造活動と学びの社会化」をもとにインプットを行い、それに続くプロトタイプを製作するワークショップをGLOCOMとともに設計し実施いたしました。
今回のプロジェクトは、Code for Japanスタッフの山形とデザイナーの林が担当しましたが、山形はGLOCOMの客員研究員でもあったため今回のお話しをいただく機会となりました。また、今回の実施校の北海道森町森高等学校は、山形の母校でもあります。 ワークショップ実施に向け学校を訪問し、生徒の皆さんを取り巻く教育環境の状況把握と、担任教諭とも連携をとりながら進めました。2日間のワークショップで、GLOCOMとCode for Japanスタッフを含め、6名のファシリテーターが森高校に赴き、1学年24名に向けて実施しました。

テーマは「森町のクリエイターになってみよう!」

Code for Japanで実施するワークショップの特徴は、アプリケーション開発等に携わるデザイナーが日頃業務で使用するデザイン作成ツール「Figma」を利用するところにあります。ワークショップでは、生徒ひとりひとりが各自の端末のブラウザでFigmaを操作します。画面上で共同作業をしながら、スマートフォンのアプリケーションを想定したプロトタイプを製作してもらいます。 過去2回同様のワークショップを実施してきた参加者から『操作は難しかったがプロトタイプを作り切る達成感は大きなものだった』という感想を多くいただいていました。ツールに慣れるまでは個人差がありますが、今回も同じくFigmaでのプロトタイプをゴールに、ワークショップの設計をおこないました。 テーマのとおり、生徒の皆さんには「デザイン事務所に入社した新人クリエイター」になりきっていただき、先輩デザイナーである林の先導のもと、コンセプト設計からプロトタイプ製作に取り組み、最後にプレゼン提案を行いました。

「デジタル・シティズンシップから考える創造活動と学びの社会化」をインプットにワークショップを構成

過去のCode for Japan単独でのワークショップ(加古川東高校、浜松西高校にて実施)とは異なり、今回は1日目にGLOCOMの教材をインプットする時間を設けて、ワークショップのプログラムを組み立てることができました。
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GIGAスクール時代のテクノロジーとメディア~デジタル・シティズンシップから考える創造活動と学びの社会化(教材についてはこちらのwebサイトをご覧ください
こちらの教材は、善き使い手としてデジタル・テクノロジーをポジティブに活用し、子どもたちの自律と問題解決を促すだけではなく、子どもたちと教員・保護者、そして社会全体で取り組むテーマとして、「デジタル・シティズンシップ」についてともに考えていくことを狙いとして設計されていますが、今回はこの教材のうち以下の内容を利用しました。

【中学・高校生向け】オンラインでの発信が未来や社会に与える影響とは?

  • ソーシャルメディアとSNSの良さと欠点について考えます。
  • 「デジタル足あと」という考え方を学び、ソーシャルメディアを利用する時の社会への影響について考えます。
  • 「デジタル足あと」を意識しながら、ソーシャルメディアのよさを活かし、社会への責任を考えた使い方を検討します。

【中学・高校生向け】情報を編集・発信するときの責任ってなんだろう?

  • 偽情報(フェイク)を定義し、オンラインで偽情報を広めることの影響を考えます。
  • ネット上の情報の真偽を確認する方法について話し合います。
  • 周りに溢れる情報と向き合うとき行動する際の3ステップを学びます。

【中学・高校生向け】みんなが納得する社会課題解決って?

  • 「シビックテック」という言葉を学び、地域社会に与える影響を考えます。
  • 街を良くするアプリのアイデアをみんなで考えます。
  • ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)について学び、アイデアを改良します。
これらの内容をインプットにワークショップを行った成果として一つあげられることとしては、生徒の皆さんが「ペルソナ」にとってどんなプロダクトが求められているかという解像度が上がったことです。最終プレゼンでは、「子どもも使えるようにひらがなにしました」「お年寄りにも見えるように文字サイズを大きくしました」など、デザインにアクセシビリティへの配慮をしているチームもいました。学んだことをすぐ実践に生かす、生徒の皆さんの柔軟性に、頼もしさを感じました。
今回のワークショップを通して、まちに暮らす人々の多い少ないに関わらず、自然に触れたり感覚を研ぎ澄ましたりするような時間と最先端の技術やデジタルツールを活用して創造していく時間を両方を持ち、それらを反復していくことで、ある意味筋トレのように鍛えていくことができると実感しました。次世代を担う学生のそういったきっかけや創造性を後押しできるよう、ちょっとしたコツをシェアしたり、私たちの経験を伝えていきたいと考えています。
 

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