「Code for 京都府知事選挙」はじめました! by Code for Kyoto

2018.04.30 | 活動レポート

今回、Code for Kyotoから「Code for 京都府知事選挙」の記事を寄稿頂きました!ぜひご覧ください♪
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京都府の現職の山田啓二知事が退任を表明したため、任期満了に伴う京都府知事選(4月8日投開票)が3月22日に告示されました。なんと16年ぶり!新人で前復興庁事務次官の西脇隆俊氏(62)と弁護士の福山和人氏(57)の2人が無所属で立候補を届け出ました(氏名は届け出順)。Code for Kyotoメンバーで、「そうだ、Code for 京都府知事選挙やってみたいよね」という話が出てきました。
Code for 京都府知事選挙って?
(1)活動のきっかけみなさん、前回の衆院選で立ち上がった「Code for 選挙」はご存知でしょうか?
Code for 選挙プロジェクトは、2017年衆議院選挙候補者のオープンなデータベースを作り、候補者の政策及び過去の実績を中立的に参照できるサイトを制作することを目的とした活動です。
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▼衆院選2017候補者オープンデータ作成プロジェクト▼http://election.old.code4japan.org/
これは、選挙情報、とりわけ候補者情報をオープンデータとして公開する活動として、いわば「0から1を生み出した」ものと思いました。
Code for Kyotoメンバーは、Code for 選挙の活動に参加した人はいませんでしたが、それは、
興味あるけど、自分は一体何ができるんだろう?
と思ったことも事実です。
GithubやSlackを使って、すごいスピードで情報が更新されていくのを見て、「自分には難しそう・・・><」と思うと同時に、でも、「こうした活動をしてみたい」という思いもありました。
今回の京都府知事選挙の投開票が迫る中で、Code for 選挙の活動に刺激されて、「次、自分が何ができるだろう」と、同じように考えている人もいるのではないかと思うようになりました。
例えば、Code for Kobeでは、2018年のIODDの活動(https://www.facebook.com/events/1242044385940061/)として、神戸市議会のwikidataを作っています。
こうした取り組みを見たときに、・自分たちの地域の選挙でもできたらいいな(0を生み出す)・こうした活動を広く知ってもらいたいな(Code for 選挙が作った1が大きくなる)ということが、Code for Kyotoとしても取り組めるのではないかと思った訳です。
(2)Code for 京都府知事選挙でやったこととは?Code for 選挙の活動とは、「候補者の情報をオープンデータとして公開する活動」という風に理解していました。衆院選の時と違って、京都府知事選の候補者は2名。
それくらいの情報をまとめるくらい簡単だね!と、早速ファーストアクションを起こしてみようとしたものの、はたと「具体的に何をすればいいの?」と止まってしまいました。
実はとっても考えること・整理することが多かった
京都府のホームページには、下記のようにさまざまな選挙に関する情報が掲載されています。
候補者情報も掲載されています。「お、Webサイトも載ってる!」と思ったけど、残念ながらURLはリンク先へ飛べない…><;PDFなので、そこからテキスト情報を抜き出すこともできませんでした。
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候補者のポスターもPDFで掲載されていました。
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キックオフ的な今回の活動でのアウトプットとして考えていたのは、候補者の情報をわかりやすく表示した『なにか』でした。
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その『なにか』ってなんだろう?と思っていた時に見つけたのが『KYOTO CHOICE』さんのこのページ。
衆院選のときにも、政治情報可視化サービス「JAPAN CHOICE(japanchoice.jp)」をリリースして注目を集めたNPO法人mielkaさんの作った、京都府知事選版のサイトです。
▼衆院選2017候補者オープンデータ作成プロジェクト▼http://kyoto.japanchoice.jp/candidate/
候補者情報や政策比較がデータ化されて掲載されています。とってもわかりやすい。当たり前ですが、京都府のホームページに載っているものと情報としては同じです。(変わってしまうと大変です)同じ情報でも、こうして同じ条件によって比較・掲載されているだけでも、とてもわかりやすくなります。
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KYOTO CHOICE さんのサイトでは、候補者情報・政策の比較が一覧で整理されているのですが、実は候補者情報として決まったフォーマットがどこかに存在するわけではありません。そのため、こうした活動をする人が公開されている情報の中から、比較できる情報だけを見やすくリスト化していく作業を地道に行っています。候補者によっては、情報を出していたりいなかったりするため、人数が増えてくると同じ条件で比較して可視化させることはとても難しくなります。
たとえば、KYOTO CHOICE さんに載っていない情報はないのか、それを補えるようなデータを掲載していくだけでもキックオフの活動になるのではないか?と考えましたが、フォーマットが決まっていないのに、何を足していけばいいのかもわからない。選挙の情報ですから、データを整理する側に変な”意図”が含まれてしまうことはNGで、中立な情報として提供しなければなりません。足らないとしたら、なんのデータを足せば中立な情報として比較・検討するために役に立つ情報になるのか。Code for 選挙をはじめ、すでに同じような活動をしている人たちがどういう議論をたどってきたのかを調べて、そしてCode for 京都府知事選で集まったメンバーでどう考えていくべきなのか?そうした道すじを考えるだけでも、とても大変な作業でした。
そうした議論を経て、Code for 京都府知事選では、WIkidataを活用して、そこを整備していくのがいいのではないかということになりました。
衆院選のときにも、Code for 選挙でWIkidata が活用されており、そのあたりの流れは今回の Code for 京都府知事選の活動でも大変お世話になった、Code for 選挙の高橋さんのスライドがわかりやすいです。
▼Code for 選挙とWikidata▼
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Wikidataというのは、Wikipediaのように誰もが編集可能なプロジェクトで、Wikipediaが特定の用語についての説明を編集可能にしているのに対し、Wikidataは誰もが編集可能なオープンな構造化データベースです。LOD(Linked Open Data)のように、データ自体がつながりを持っています。
色々な都道府県の知事に関するデータをWikidataで調べてみると、北海道や沖縄はかなりたくさんのデータ(北海道は北海道知事選が始まってからすべて!)掲載されていることがわかりました。
京都の情報も載ってはいましたが、まだまだ完璧とは言えない状態。じゃあ、ここにデータを登録・整理していく作業を、私達のアクションにしたらいいのではないか?ということになりました。
しかし、Wikidata のアカウントを初めて取得する人はまずそこから、そして取得した後、データを検索(SPARQLで検索なので、分からない人にはまたまた敷居が高い!)して、足らないデータに関する情報を調べて登録する、という、何ステップもの作業が待っています。簡単そうで、なかなか敷居が高いです。
一人でこの行動のモチベーションを維持するのは、言葉で書くと簡単な作業に見えますがとても大変。そこでこういうときこそ、Code for Kyoto のようなコミュニティ活動がいきてくると思います。ひとりでモチベーションを高めるのは難しいけど、同じ気持ちで集まったメンバーと「えいやっ!」で作業することで、ぼっち作業では考えられなかったたイベント感が生まれますw
さらに京都府のホームページをあらためて見てみると、こんな注意書きを発見!
”選挙管理委員会ホームページに掲載された選挙公報の取扱いについて、次のような場合(例示)には、公職選挙法第142条、第142条の4又は第146条に抵触することがありますので、御留意ください。1.選挙管理委員会ホームページに掲載された選挙公報をプリントアウトして、不特定又は多数の者に頒布2.候補者及び確認団体以外の者が、選挙管理委員会ホームページに掲載された選挙公報のデータを添付した電子メールを送信。また、特定の候補者の選挙公報のみを抜粋して添付した電子メールを送信”
掲載されている情報をデータ化してどこかに掲載することすら、かなりグレーな印象。それすらも確認が必要なんだと、ちょっとビックリ。今後の活動には行政側への働きかけもまだまだ必要だなと感じた次第。
朝の10時から15時まで集まって開催したキックオフでしたが、ここまで辿りつくだけで時間はあっという間に終わってしまいました。
Code for 京都府知事選をやってみて、最初は「たった2名の候補者だからすぐに作業は終わるのかな?」と安易に考えていたけれど、決められたフォーマットがない中でデータを整備していく前処理作業はとても大変だったこと、さらにフォーマットを決めると言っても、何を基準にどう決めたらいいのか? そもそも自分たちで勝手に決めることなのか、ルールが存在するのか? そんなことから手探りで調べていくような状態でした。
衆院選のときに見えていた「Code for 選挙」の活動は、githubでみんなが集まってすごいスピードで情報を更新していってる姿だったけど、あれはゴールであって、そのアクションにいきつくまでの前段階はとてつもない作業を経てのアクションであったことが身をもってわかりました。
今回の Code for 京都府知事選には、Code for Kyotoとして既に活動していた東、太田垣の他、京都府の職員(職員でもある東が声をかけた、中原さん、小川さん、4/1から入庁された!新人職員の小倉さん)も参加してくれて、行政側と連携を取りながら、今後の活動を続けていくこともできるかなと思っています。
Code for Kyotoでは、4/8の開票結果や過去の選挙情報などを整理して、そして同じように活動してみたい!と思ってくれた人が、すぐにアクションを起こせるようなそんなドキュメント作り、そして、今回もためになる情報を提供してくれた Code for 選挙の皆さん、KYOTO CHOICE を作成したMielkaさんなど、他の団体とも連携しながら、引き続きアクションを起こしていきたいと思っています。
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【今回の活動まとめ】4/8投開票の京都府知事選挙を機にした活動としてCode for Kyotoメンバーがスタート・府内選挙での活動を増やす・他地域でのCode for XX選挙への貢献・2019年春の統一地方選挙への意識
取組内容【How to整理(エンジニアサイド)】状態の整理そのものがキックオフ=How to的な整理(エンジニア的なところ)・「オープンデータ」の理解・Wikidata、Wikipediaの理解・行政の公開状況の確認・Git、Githubを理解・他にも知っておくスキルがあるのか???
How to整理(制度サイド)・公職選挙法の理解・今回の活動の受け止め
具体的なアクション・Code for 選挙を「勉強」・そのためのドキュメントづくり・Mielkaさんと選挙後にオフサイトミーティングを呼びかけ・議会議員選挙をどうするか
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